〜湿気の季節、愛犬を守るために〜
梅雨はジメジメとした湿気が続き、人にとっても犬にとっても過ごしにくい季節です。特にこの時期は、食品が傷みやすく、カビが発生しやすくなるため、食中毒のリスクが高まります。
愛犬の健康を守るためには、飼い主である私たちが日頃の食材管理や食べ物の選び方に細心の注意を払うことが大切です。
今回は、梅雨時にトイプードルが食べてはいけない食べ物や、安全に過ごすためのポイントについて詳しくご紹介します。
傷んだ食品・作り置きごはん
梅雨は高温多湿の環境になりやすく、食品が非常に傷みやすくなります。
人間には問題なさそうに見える食べ物でも、犬にとっては体調を崩す原因になることがあります。
特に以下のようなケースには注意しましょう。
前日の残りごはんをそのままあげる
※電子レンジで温め直しても、内部に菌が残っている可能性があります。
常温で放置した食材やフード
※ドライフードやウェットフードでも、封を開けた後は湿気や雑菌に注意が必要です。
手作りごはんの保存
まとめて作る場合はすぐに冷凍し、冷蔵保存の場合も早めに使い切りましょう。
特に梅雨時は、気温25℃以上・湿度70%以上になると菌やカビが急速に繁殖しやすくなります。
さらに35〜40℃前後は“危険温度帯”と呼ばれ、細菌が最も活発に増える温度帯です。
食中毒予防の3原則は「付けない」「増やさない」「やっつける(殺菌する)」です。
この中でも特に、「危険温度帯で食品を放置しないこと」は、「増やさない」ための重要な対策です。
たとえ見た目に異常がなくても、少しでも不安を感じたら与えないことが鉄則です。
カビがついたパンやおやつ
湿度の高い梅雨は、カビの繁殖にも注意が必要です。
パンやクッキー、ジャーキーなどを高温多湿な場所に保管していると、知らないうちにカビが生えてしまうことも。
犬がカビを口にすると、以下のような症状を起こすリスクがあります。
✅嘔吐・下痢
✅けいれん
✅肝臓や腎臓へのダメージ
特に青カビや黒カビには「マイコトキシン」と呼ばれるカビ毒が含まれている場合があり、非常に危険です。
おやつ類は密閉容器で保存し、開封後は早めに使い切るようにしましょう。
梅干し・塩分の多い漬物
梅雨といえば「梅干し」や「漬物」をつくる季節ですが、これらは塩分が非常に高く、犬にとってはNG食品です。
梅干しの種にはシアン化合物(毒性)が含まれ、誤って飲み込むと窒息や中毒のリスクがあります。
漬物は塩分が多く、腎臓・心臓に大きな負担をかけます。
トイプードルにとっての塩分の許容量は?
一般的に、健康な犬にとっての1日の塩分摂取量の目安は以下のとおりです。
| 体重 | 安全なナトリウム量 | 食塩(NaCl)換算 |
| 2kg | 約100mg(0.1g) | 約0.25g(小さじ1/20程度) |
| 5kg | 約200〜250mg | 約0.5〜0.6g |
この程度の量であればドッグフードに含まれる自然なナトリウムで十分補えます。
人の料理や調味料で追加する必要はまったくありません。
例えば、みそ汁やカレーには1杯で2g以上の塩分が含まれていることもあり、トイプードルにとっては命に関わる量です。
「少しだけなら」と思って与えるのは大変危険です。
旬の果物にも注意!特に「ぶどう」「さくらんぼ」

梅雨〜初夏にかけて、果物の種類も増えてきます。おやつ感覚で与えたくなるかもしれませんが、
次の果物には注意してください。
・ぶどう・レーズン
→ 犬にとっては少量でも急性腎不全を引き起こす可能性があります。命にかかわる危険な食べ物です。
・さくらんぼ(特に種)
→ 果肉自体は少量なら無害ですが、種には青酸化合物が含まれています。
また、喉や腸に詰まる事故にも繋がります。
安全そうに見える果物でも、果物を与える際は、品種・部位・量をしっかり確認することが大切です。
カレーや煮物などの人間用料理の残り物

梅雨の寒暖差で煮込み料理をする機会が増えるかもしれませんが、味付けされた人間の料理は犬にとって非常に危険です。
玉ねぎ・長ねぎ・にんにくは、犬の赤血球を壊し、貧血や中毒を引き起こします。
「ちょっとだけだから」は禁物。人間の料理は基本的に与えないようにしましょう。
防腐剤が入っていても、カビは生える?
「防腐剤入りだから大丈夫」と思ってしまいがちですが、実は防腐剤があってもカビが生えることはあります。
なぜカビが生えるの?
・防腐剤は主に細菌の増殖を防ぐものであり、カビ(真菌)には効きにくいものもあります。
・湿気や空気中の胞子が食品につくことで、保存料の効果をすり抜けてカビが発生します。
保存状態が悪いと効果は激減
✅袋をちゃんと閉じていない
✅湿度が高い場所に置いている
✅開封後、長期間放置している
こうした状態では、保存料が入っていても簡単にカビが発生します。
また、表面にカビが見えなくても、
✅いつもと違う匂いや不快な匂い
✅粘ついている
✅色が濃くなった
などの変化があれば、内部で劣化が進んでいるサインです。
添加物との付き合い方
保存料や酸化防止剤は、法律上安全とされる量しか使われていませんが、小型犬は体が小さいぶん、少量でも影響が出やすいとされています。特に「BHA」「BHT」「ソルビン酸K」などには賛否もあるため、無添加や原材料がシンプルな製品を選ぶのが安心です。
梅雨を健康に乗り切るためのポイント

✅開封後は早めに使い切る(1週間以内が目安)
✅フードやおやつは密閉容器&冷暗所で保管
✅ドッグフードに含まれる塩分だけで十分
✅おやつは“ごほうび”程度に、主食は栄養バランス重視
✅消化にやさしい食材(ささみ・白身魚・かぼちゃなど)を選ぶ
✅食器や水入れはこまめに洗い、ぬめりや雑菌の繁殖を防ぐ
そして忘れてはならないのが、食中毒予防の基本原則。
「付けない」「増やさない」「やっつける(殺菌する)」の3つが大切です。
中でも、「危険温度帯で食品を放置しないこと」は、菌を「増やさない」ためのもっとも重要な対策です。
毎日のちょっとした意識が、愛犬の健康をしっかり守ることにつながります。
まとめ

トイプードルは、私たちの毎日に癒しと笑顔をくれる大切な家族です。
だからこそ、「知らなかった」では済まされないリスクから守ってあげるのは、飼い主としての責任でもあります。梅雨の季節は、見えにくいカビや雑菌、添加物の影響など、さまざまなリスクが潜んでいます。
ちょっとした気づかいや心がけで、トイプードルとの暮らしをより安心で快適なものにすることができます。
この時期を健康に乗り越えて、大切な愛犬と毎日を楽しく過ごしていきましょう。


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